
2025年6月14日/15日に開催されたシューティングゲームメーカーが集う恒例イベント「シュー大祭2025」にて、exA-Arcadiaは新製品や既発表タイトルの続報など、様々な新情報を公開しました。
発表された新作タイトルは、過去にアーケードで発売されたタイトルを現代風に復刻(以前からexA-Arcadiaが得意とする路線)だけでなく、スマートフォン用新作タイトルをアーケードの操作体系に変更して、コントロールパネルごと新規に制作した新作を投入するなど、これまでと比較しても独自路線の拡大に力が入っているようです。
exA-Arcadiaおさらい
すでに出荷が行われている exA-Arcadia 新システム基板はマイナーチェンジで内部基板及び空調周りなどが変更されており、既存ユーザー向けのアップグレードも今後行われる予定。

exA-Arcadia内製レーベル「EXA LABEL」についての解説。
EXA LABELは各社の許諾の元、exA-Arcadia内製で制作されたシリーズ。現在のラインナップはすべて応答遅延1フレームを実現しており、物理的に家庭用プラットフォームなどには移植ができない仕様を実現している。
【編者注】exA-Arcadiaはハードウェア側のシステムも含めて自社で最適化して提供しています。例えば同じ汎用のゲームエンジン(Unityなど)で開発されたものでも、家庭用ゲーム機などではサードパーティ側が限界まで最適化しても応答遅延3フレーム以下を実現することは、かなり困難と思われる状況があります。
もしPS5/4,Switchなどで応答遅延2フレーム以下を実現できているソフトをご存じの方がいらしたら、是非情報をお寄せ下さい。(ほとんどのタイトルでは4フレーム以上の遅延が一般的です)


新作発表
トリガーハートエグゼリカ EXA LABEL

元々は2006年にNAOMIでアーケード稼働し、ドリームキャストへの移植、後年XBOX360などにも移植され、現在はSwitch、Steamで販売されている人気シューティング。アンカーシュートと呼ばれる敵をキャプチャしてぶん回してぶつけたり盾にしたりできるシステムと、スク水系メカ美少女の自機が最大の特徴。
フェインティアを含むキャラがメイン扱いで紹介されているので、後発の「トリガーハートエグゼリカ エンハンスド」を含む要素で再構成される可能性を示唆している。
実装予定のゲームモードは、アーケード版、DCアレンジ版、XBOX360版、EXA LABELモード。
開発決定発表につき、発売予定時期は未発表。
開発 exA-Arcadia
アレンジサウンドトラック 渡部 恭久 -Yack-



アーシオン EXA LABEL

2025年7月31日稼働開始予定。
6月25日〜7月2日まで、秋葉原タイトー Heyにてロケテスト実施。
古代祐三氏率いるエインシャント製のMD互換機用横スクロールシューティングのアーケードバージョン。MD互換機以外のプラットフォームではエミュレーション動作だが、exA-Arcadia版はシステムの変更、サウンド周りの大幅仕様変更などでアーケード仕様が追求されている。

サウンドトラックはMD本体ごとに微妙に異なる音質を再現し、5種類から選択可能。
【編者注】メガドライブ実機の当時世代を経験した人には有名な話ですが、メガドライブは製造時期別で画質と音質にものすごいバラツキがあります。画質については基本、初期型は悪く後年式になるほど赤系統などの発色、ノイズ、エッジ感が改良される傾向がありましたが、それらはRGB化である程度どうにでも改善できた反面、音質については致命的で修正不能な違いがあり、一概には言えないものの後年式のものほど音が歪む傾向、MD2に至っては音にこだわる人からすれば聞けたものではない歪みになるという事実がありました。そのためMDマニアは特定の好みのバージョン(ジェネシスソフトが動く最終型で音質も比較的まともなVA4とか)を指定したり、アンプ回路を独自に実装する改造などに勤しんだ共通体験があります。(多少筆者の主観が含まれますが、当時多数のメガドラを買い替えて試行錯誤した一人ですので、厳し目のコメントはご容赦下さい)


閃攻機人アスラ EXA LABEL

2025年4月にSteamで公開された3Dシューティング作品のアーケード化。
80年代アーケードの3Dシューティングに大きな影響を受けた作品。スローモーションや近接攻撃をも駆使しながら敵を殲滅していく。
exA-Arcadia用アナログレバーコントローラー対応ソフト第一弾。

ジャムジャムジェリー エクサレント

ジャムジャムゼリーエクサレントの続報。本タイトルはすでにロケテストが一度行われているが、そのフィードバックを反映。ボス攻撃がより多彩に、日本語リソース大幅変更などを経て、6月15日より受注を開始。
2025年7月稼働開始予定。
【編者注】ロケテスト時は日本語翻訳があまりにも… で、途中から英語リソースに切り替わっていたという事情があり、日本での発売に関して大幅な手直しが行われたようです。

DragonBlaze exA Label







元作品は彩京が2000年に発売した縦画面シューティング。PS2,Steamなどに移植されている。
EXA LABELでは独自のアレンジモードなどが追加される予定。
キャラクタービジュアルは緒方剛志氏描き下ろし。アレンジサウンドトラックはヨナオケイシ氏が担当。
exA-Arcadia開発担当プランナー/プログラマーは Trap15 氏。
INFINITY BULLETS 無限弾





元作品はスマートフォン向けに開発が行われている全方位シューティング新作「INFINITY BULLETS」のexA-Arcadiaバージョン。トラックボールコンパネによる操作に対応し、スマートフォン版とは違った操作感になる模様。
トラックボールでの操作は自機移動と、ボールのひねりで攻撃方向の向きを変えるシステム。ボタン併用でオプション(サテライト的なもの)の位置を固定するなど、ロストワールドのローリングスイッチに感覚的に近い操作感になると思われる。
スマホ版はシングルプレイだが、exA-Arcadia版は2P同時プレイ(それ以上も検討中)。また、ステージ制に変更されている。
サウンドコンポーザーは「TAMAYO」「おかんP」「渡部恭久 -Yack-」など、錚々たる顔ぶれ。
達人王 EXA LABEL

1992年に東亜プランが開発しタイトーが販売したアーケード用縦シューティング。高難度でストイックなゲーム性が一部から熱狂的な支持を受けており、ネット上では「達人王おじさんbot」の地道な啓蒙活動がミーム化(ジャンボーグAのエメラルド星人が「おい、そこのお前。達人王をやるのだ!」と絡んでくる)など、ゲーム好き界隈で謎に流行るといった現象も発生していた。
exA-Arcadia版は新規ゲームモードなどが追加予定。
exA-Arcadia内製で開発担当はMOF氏。すでにBATSUGUN EXA LABELやアクウギャレットEXAレーベルの開発などで多くの実績を持つ exA-Arcadiaが抱える超絶技巧プログラマー/プランナーの一人。(大本のMC68000ハードウェア上に新規ゲーム性を盛り込みアセンブラで記述し、受け側の高性能なエミュレータを同時に開発する離れ業をいつも素で行う方)

One More Thing
